DVD『新・メグレ警視 モンマルトルのメグレ』

新・メグレ警視 モンマルトルのメグレ [DVD]
フランスで90年代に放映されたTVシリーズの一編。

キャバレーでストリッパーをしていたリリーという女が殺された。彼女は前夜、警察署に現れ「店で、客のオスカーとかいう男が伯爵夫人を殺すと言っていたのを聞いた」と訴えていた。その話を聞いたとき彼女は常連の若い男のテーブルに付いていたと言ったが、その若い男というのはメグレの部下のラポワント刑事だった……。


司法警察のメグレの部下にはリュカ、ジャンヴィエ、トランスなどがいて、それぞれ年齢、容姿、家族構成などが設定されていたはずだが、私にはほとんどタマネギ部隊なみに区別がつかない。そんな中で唯一区別がつくのが、いつまでたっても若僧扱いされるラポワントである。
リリーに惚れていたラポワントは傷心を押し殺して捜査に没頭する。ホテルに聞き込みに行って、受付からリリーが多くの男たちとホテルに来ていたことや、売春もしていたことを聞かされるラポワントが哀れ。確認したら、原作ではホテルの聞き込みはジャンヴィエが担当していて結果をメグレに報告するだけなのだけれど、この改変は良い。
地味で渋い原作の雰囲気そのままに、けっこううまくドラマ化してるなと思ったら、最後にどんでん返しに近い意外な犯人が明らかになって、「メグレ」らしくなくてびっくり。原作は十年以上前に読んでほとんど忘れてたけど、こんな犯人じゃなかったような…と思って確認したら、やっぱり全然ちがっていた。しかし、あの人物が犯人というのはちょっと無理がある気がするなあ。
“無愛想な刑事”ロニョンも登場するが、少ししか出番がない(しょっちゅうハンカチで鼻をかんでいる)。原作ではもっと活躍していて、オチで笑わせてくれるのだけれど。